マネジメント力も問われる建築デザイナー

SLshi7uK/ 4月 27, 2019/ デザイナー

クライアントのイメージを図面におこす

建築士は、法令の定めるところにより、建造物の設計や実際の工事の監理を担当するのが仕事で、小規模な一般住宅から大規模なビルまで様々な建物の設計図をかいて、それに基づき建設現場で進行を指揮・監督します。
大半の建築士は建設会社やハウスメーカーに採用されて勤務していますが、独立開業して事務所を開設する方も多いです。

建築士の仕事はクライアントから建築物建設の依頼を受けると、最初にトータルの予算額や建築物のコンセプトやイメージを聞き取る作業からスタートします。

建築物の機能や使用目的により、コンセプトやイメージは千差万別です。
洗練されたスマートな雰囲気、または清潔感のあるカラーリングなど、多岐にわたるクライアントの要望をくみ取ってイメージを固めます。
そして具体的にイメージを図面に描く作業にうつります。

イメージ図や3Dソフトによる資料だけではわかりにくいケースは、模型を作ってクライアントにプレゼンして、承諾を得ることになるでしょう。
イメージが固まり、メインの構造が決まれば、材料や細部の内装を詰めていきます。
柱や壁の素材やカラー、庭のデザインや植栽に至るまで、コンセプトに沿うように作り込みます。

しかし、常に予算の範囲を超えないように工夫しながらクライアントの要望を実現しなければならないという悩みがあり、そこが腕の見せどころでもあるのです。

建築物設計や内装デザイン以外に安全性も確保

クライアントがイメージする建物の設計図を描く以外に、安全性や耐震性を確保する事が設計の大前提です。
さらに、基本的な電気配線や空調の設備も忘れてはいけません。
考慮すべきことが多岐にわたるため、大手建築事務所は構造設計や空調設計など専門分野を定めて、チームを組んで進めるケースも多いです。

工事現場のマネジメントも役割の1つ

建築物の設計と内装などの細部が固まれば、現場で実際の工事がスタートします。
建築工事自体に携わるのは大工や左官など別の専門職の方ですが、図面どおりに工事が進行しているかの指揮・監督は建築士の担当です。

毎日現場を見る必要はありませんが、ポイントでは実際に現場に足を運んで、チェックしたり、修正プランを考えたりします。
現場の工事業者から意見を聞いて、打ち合わせののち設計を一部修正する柔軟性は必要です。

求められるスキル

建築士に求められる基本的なスキルは、建造物に関する幅広い知識と設計図作成技術です。
建造物に関する知識は大まかに、環境や色彩感覚関連のプランニング、建築基準法などの法令、構造種別や強度などの構造、工事現場でのマネジメントの4ジャンルに大別出来ます。

図面作成能力は、実際の図面の描き方で、最近では設計図の作成にCADソフトを用いて行うケースがほとんどです。
これらのうち、CADソフト操作以外は建築士資格試験の受験科目に指定されており、試験のための学習が実務を念頭に実施されることが分かります。

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